国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)という教育プログラムがあります
ジュネーブに本部があるIB機構が提供する国際的な教育プログラムです
どんなものか詳しくは文科省のHPを参照ください
ざっくり簡単に言うと、国際的な視野を持ちグローバル化に対応できるスキルを持つ人材を育成 するための教育プログラムで、4つのプログラムの中の特にDP(Diploma Programme)を履修し一定以上の成績を収めるとIB資格という国際的に認められた大学入学資格が得られるというものです
日本においても政府が導入を掲げており10年くらい前から「○○年までに認定校を200校に」と提言していますが導入するハードルが高いのでなかなか増えない現状です
導入が難しい理由としては、英語以外の数学や理科も英語で授業したり課題が出たりするので教える側も学ぶ側も相当高い英語力が必要、日本の教育課程とは違うプログラムなので国内の大学入試に対応できない、それらも含めて費用がかかるので普通の私立高校よりさらに学費が高いなどがあります(最近は日本語DPという数学や理科など日本語で教えるタイプもありますがそれでも6科目中2科目は英語での授業)
ちなみに愛知県では現在認定校は5校(DPに限れば4校)でそのうち一条校と言われるいわゆる公立・私立などの中学校や高校は2校のみです(2校とも私立で名古屋国際高校と国際高校)
他の都道府県と比べても愛知県は少ない方だと思います
次に公立の中高一貫についてです
日本では1999年に宮崎県で初めて公立中高一貫校が導入されて以来全国に広がりました
現在、公立中高一貫校を導入していない都道府県は愛知、岐阜、三重、富山、鳥取、島根の6県のみです
他の5県と比べ人口も多くもっと早く導入してもおかしくない愛知でこれまで導入されなかったのは保守的な県民性と愛知ならではの「複合選抜制度」という複雑な入試制度、さらに公立王国と呼ばれるほど公立高校が実績を残してきたからですね
ただ近年、その公立高校も定員割れが増加し危機感をもったので導入に踏み切ったのかもしれません
さて、この愛知県における中高一貫校の第1次導入校4校のうちIBの導入を唯一目指しているのが南中エリアにある津島高校なのです
普通科の一部を学科改編し2025年度より国際探求科を設置、2028年度からのIBDPを導入予定となっています
(ちなみに中高一貫校の第2次導入校でIBを導入予定なのが三河地方の時習館と西尾になります)
これはなかなかすごいことだと思います
IBの教育プログラムを導入しているのは私立が多く、さらに通常の授業料より高くなる場合があります
それを公立の授業料で中高一貫6年間学べるとなると金銭的メリットはかなり大きいです
また名古屋の名古屋国際高校や日進で全寮制の国際高校へ行くより通いやすいのも大きいです
さらに日本語DPを導入しない場合は高校の数学や物理、化学などの教科も英語で授業を受けることになるのでかなり優秀な先生が赴任してくるはずです
さらにIBDPのスコアによって海外の大学への進学が容易になります、世界中のいろんな国の大学に行けるってすごいことですね
ただ不安な部分もないわけではありません
まずIBDPは日々の課題量が多かったり提出に追われたりするので精神的に疲れてしまう生徒もいます
またかなりの英語力が必要となるので帰国子女やインターナショナルスクール出身でないと英語の習得にかなりの時間を割く必要があります、さらに課題や英語の勉強のため部活動や自由時間がほとんど取れないとも言われています
そしてIBDPは日本の文部科学省の教育課程とは異なっているので受験科目の授業時間が不足するなど日本の大学へ行くには不利になる場合があります(IBDPのスコアが高ければ東大、京大、名大など推薦で入れる大学もありますが)
津島の中高一貫校はもし将来は海外の大学へ進学したい、あるいは保護者が仕事の関係で海外赴任が多い、英語が好きで将来海外で働きたいなどの夢がある生徒にはとても良い環境だと思います
一方で地元の大学へ進学したい、英語にそこまで興味がないような生徒とってはかなりハードな6年間を過ごすことになるのでおススメはしません