今年も残すところあと少し、受験生たちは志望校をそろそろ決めなければいけない時期になってきました
当塾でも保護者面談をしたり、生徒と志望校について話したりしています
そんな中、ここ数年ちょこちょこ聞くようになった言葉があります
それが「滑り止めの私立は受けずに公立ダメなら二次募集」です
これは個人的にはありだと思う考え方ですが注意点もあるので書いていきます
まず前提として愛知県の入試の仕組みにおいて公立高校の二次募集とは推薦・特色・一般入試の志願者数が定員に足りず定員割れを起こした高校で行われるものです
そしてポイントとしては二次募集に志願できるのは公立・私立含め一切の合格が出ていない生徒のみということです
一般的に公立志望の生徒の多くは私立を滑り止めで受けて合格している状態で公立受験に挑むことが多いのでこの二次募集の仕組みを活用する生徒は多くありませんでした
(昨年度は二次募集2,059人に対して志願者87人で募集定員の4%でした)
かつて公立の定員割れがそこまで多くない時代は定員割れする高校といえば相当学力の低い高校か人気の薄い専門科ばかりで通うにも遠かったりでそれなら滑り止めの私立の方が良いという風潮でした
しかしここ近年の公立の定員割れ数の増加、とくにここ尾張西部の定員割れ高校の多さによって上記のような二次募集ありきで私立の滑り止めを受けないという考え方が出てきたと思います
このエリアでいえば、五条、津島東、美和、津島北翔、稲沢緑風館、愛西工科、杏和、佐屋など定員割れになる可能性の高い高校が大半を占めており、定員割れしないと言い切れるのは津島くらいです
津島東や美和はギリギリ定員割れ回避することもありますがその他の高校はほぼ定員割れするこのエリアなら私立の滑り止めなしで公立にチャレンジし、それでだめでもある程度の高校に二次募集で行ける(それも複数から選択できる)という状況になっているということなのです
以上のことから冒頭の「滑り止めの私立は受けずに公立ダメなら二次募集」という考え方はありだと思うのですがいくつか注意点もあります
①二次募集は必ず受かるわけではない
二次募集にも入試があります、内容は作文と学力検査Ⅰ、Ⅱとなり一般入試ほどの難易度ではありませんがそれでもよっぽどひどい点数なら不合格もあります
②定員割れしたからといって学校のレベルが下がるわけではない
例えば五条はここ数年定員割れしています、だからといって授業の内容や使用するテキストのレベルがすぐに落ちるわけではないので仮に合格したとしても実力不足だと勉強に付いていくのが難しいです
③中学校の面談であまり良い顔をされない?
これは完全に個人的な感想ですが公立中学校の先生方の中にはこういう二次募集ありきの受験の仕方に否定的な先生が多い気がしています(公立の合格辞退も同様に否定的なイメージ)
私立は受けないと言っていた生徒が学校の面談後に行く気もない滑り止めの私立受けることになりましたと言ってくるケースはちょくちょくあります
まあ、受験生という立場で受験直前に担任の先生に強く言われたら揉めたくない気持ちもあるでしょうし生徒も保護者もなかなか断りきれないのでしょう